ネットワークアナライザの基本的な知識まとめ
ネットワークアナライザというのは、直訳するとネットワーク網を分析する装置、ということですがその名の通りに電子回路を解析するために開発されました。 基本的な計測の仕方としてはインピーダンス、それに減衰値を調べることで対象の計測を行います。 ミリ波帯周波数は110Ghzまでのなかで、本機はとてもさまざまな分野に活用できるという点から、企業や研究の現場でとても重宝されている測定器の一つとなっています。
種類について
ネットワークアナライザと一口に言っても、その種類は大きく分けて二つに類別することが可能となっています。 まずひとつめはベクトルネットワークアナライザと呼ばれるもので、振幅の測定だけでなく位相まではかることが出来るのでとても精度が高く、計測器としては最高に近い性能を持っているのが特徴です。 機器が高価になりやすい反面、メンテナンスが容易で永く使えることを考えると、長期的に必ずしも導入が損にはならないと言えるでしょう。 いっぽう、もうひとつの巣からネットワークアナライザは振幅の身を測定し、周波数の特定で高周波の信号をしっかりと把握する基本機能を備えています。 性能拡張が可能である反面、精度ではやはり前者に及ばないため用途を限定されるというデメリットもあります。 企業内、現場内でどういった用途での使い道があるのかをよく購入前に検討する必要があるでしょう。 どちらにせよこれらの機器は計測器の標準として位置づけられており、その作用の仕組みや特性をよく理解することが重要です。
ネットワークアナライザの仕組み
メインとなる受信機を三つ内蔵しており、それ以外にも信号分離機、信号源、そして方向性結合器を組み合わせて対象の周波数を全てカバーしています。 信号源からの周波数を二つに分離して、入射・反射に分けそのその伝送信号の速さともうひとつのレシーバーとのレシオをエスパラメータとして認識するというのが大まかな仕組みとなります。エスパラメータを利用することで高精度を実現しているため、この反射特性を理解したうえで運用しないと精度を大きく欠くことになってしまいます。 たとえば、機器の搬入の際に信号受信装置にわずかにキズがついた、あるいは機器の設置場所付近にちいさな磁力ノイズがある等のトラブルでも正確な測定の妨げとなるため、導入に当たっては専門知識をもったスタッフとメーカ担当者が事前に協議することが求められます。
特徴・用途
ネットワークアナライザの最大の特徴は、校正と呼ばれる機能でこれは文字通り、測定結果の誤差を機器がみずから修正してくれる機能を指します。 測定基準となる面から、インピーダンスの基準であるオープンとショートでの位相を終端機と呼ばれる装置で計測することにより修正するのがもっとも一般的な手段です。 この校正においては数学的ベクトルを用いた内部理論が働いており、ロードマッチ、ソースマッチ、方向性などの要素における誤差を相当程度まで検出し修正することが可能となっています。 この校正機能があるためにこのアナライザは開発から年月が経った現在でも測定器のメジャーとして用いられており、非常に画期的なストロングポイントと言って良いでしょう。 ただし、外部の環境要因(振動、磁力、温度、湿度)等の再現はこの校正機能でも行えないため、測定を行う空間の環境には最大限の注意が必要です。 温度と湿度を一定に保つことはもちろん、清掃がじゅうぶんに行き届いた清潔で他の機器と距離を保った環境を整えて運用するようにしましょう。 アナライザは各社から年々改良がなされた製品が発売されており、今後も精度や安定性などにおいても進歩していくことが期待されています。